税務論点整理|ケーススタディ

重加算税はどこから課されるのか
相続税と法人税の課税要件

「うっかりの申告漏れ」と「重加算税」の間には、条文と判例が引いた線があります。
国税通則法68条の要件を共通事項として整理した上で、
相続税と法人税それぞれの調査で問題になる行為を、公表裁決に基づくケースで確認します。

結論

重加算税は、「隠蔽」または「仮装」という不正な手段が使われたときだけ課される加算税です(国税通則法68条)。
申告漏れの金額が大きいこと、税法を知らなかったこと、確認を怠ったことは、それ自体では重加算税の理由になりません。
それらは過少申告加算税(無申告加算税)の世界です。

要件は3つで、①納税者が、②課税標準等または税額等の計算の基礎となる事実の全部または一部を隠蔽し、または仮装し、③その隠蔽・仮装したところに基づいて申告書を提出した(無申告の場合は、法定申告期限までに提出しなかった)ことです。
税率は、過少申告に代わるものが35%、無申告に代わるものが40%、不納付(源泉)に代わるものが35%で、
過去5年以内に無申告加算税または重加算税を課されたことがある場合はさらに10%が加算されます。

1

「知っていたのに申告しなかった」
だけでは足りない

過少申告そのものとは別に、隠蔽・仮装と評価できる行為が必要です(最高裁平成7年4月28日判決)。
財産や売上の存在を認識していたことは、要件の入口にすぎません。

2

積極的な工作がなくても
「特段の行動」があれば該当する

架空名義や二重帳簿がなくても、当初から過少申告を意図し、その意図を外部からうかがい得る特段の行動(税理士への秘匿・虚偽説明など)をした上で申告すれば、要件を満たします(同判決)。

3

脱税の意図までは不要。
行為についての故意で足りる

隠蔽・仮装の行為を故意に行い、それを原因として過少申告の結果が生じていれば足り、
「過少申告になる」という認識までは要件ではありません(最高裁昭和62年5月8日判決)。

4

対象は隠蔽・仮装に基づく
税額の部分だけ

同じ修正申告の中でも、隠蔽・仮装に基づく増差税額には35%、それ以外の増差税額には過少申告加算税10%(15%)が課されます(通則法68条1項、同法施行令28条)。

5

本人以外の行為は
「同視できる」場合だけ

税理士・家族・従業員の隠蔽仮装は、納税者本人がそれを認識し、または容易に認識でき、是正できたのに防止しなかった場合などに限り、本人の行為と同視されます(最高裁平成18年4月20日判決)。

6

調査時の虚偽答弁だけでは
課せない

判断の基準時は法定申告期限です。
調査での虚偽答弁や証拠隠滅は、それ自体で要件を満たすのではなく、申告時の意図を推認する間接事実として使われます。

最も誤解が多い点

「申告漏れが見つかった=重加算税」ではありません。
国税庁の統計でも、相続税の実地調査で非違があった事案のうち重加算税が課されたのは約13〜15%(令和4〜6事務年度)、
法人税の実地調査で不正計算があった割合は22〜24%(令和5・6事務年度)です。
大半の申告漏れは過少申告加算税で終わっています。
逆に、「うちは架空の帳簿など作っていないから大丈夫」も誤りで、税理士に対して財産や取引の存在を否定する、資料を出さないといった行為が「特段の行動」と評価されて重加算税に至った裁決は多数あります。

1 税率と条文の構造

重加算税は独立した加算税ではなく、過少申告加算税・無申告加算税・不納付加算税に「代えて」課されるものです。
したがって、まず過少申告加算税などの要件に該当することが前提になります。

場面通常の加算税重加算税(代えて課される)根拠
期限内に申告したが過少だった過少申告加算税 10%
(期限内申告税額と50万円のいずれか多い額を超える部分は15%)
35%通則法65条・68条1項
期限内に申告しなかった無申告加算税 15%
(50万円超300万円以下は20%、300万円超は30%)
40%通則法66条・68条2項
源泉所得税を納期限までに納付しなかった不納付加算税 10%35%通則法67条・68条3項
過去5年以内に同じ税目で無申告加算税または重加算税を課されたことがある無申告加算税に+10%(66条6項1号)+10%(最大45%・50%)通則法68条4項1号
前年・前々年にも無申告加算税または無申告重加算税を課されている(無申告の場合のみ)無申告加算税に+10%(66条6項2号)+10%通則法68条4項2号
(令和6年1月1日以後の法定申告期限分から)

重加算税に「重ねて」加算されない措置

令和4年度・令和5年度改正で加算税の加重措置が増えましたが、次のものは過少申告加算税・無申告加算税の側の措置であり、重加算税が課される部分には重ねて適用されません。

  • 帳簿の不提示・記載不備による加重(10%または5%) 通則法65条4項・66条5項。
    対象は申告所得税・法人税・消費税の売上げに関する帳簿で、相続税には帳簿保存義務がないため関係しません。
  • 高額無申告の30% 通則法66条3項。無申告加算税の税率の話であり、重加算税40%が課される部分には適用されません。
  • 電子取引データに関する重加算税の10%加重 電子帳簿保存法8条5項。これは重加算税に加重されるものですが、所得税・法人税・消費税の保存義務者に限られ、相続税には関係しません。

ただし、同じ修正申告のうち隠蔽・仮装のない部分に課される過少申告加算税には、65条4項の帳簿不提示の加重が及び得ます。
また重加算税の側では、68条4項の10%加重と電子帳簿保存法8条5項の10%加重が重なることがあります。

令和6年度改正により、隠蔽・仮装した事実に基づいて「更正の請求書」を提出した場合も重加算税の対象に加わりました(通則法68条1項・2項。令和7年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税から適用)。
従来は、更正の請求で虚偽の内容を記載しても重加算税は課せませんでした。

2 三つの要件と「隠蔽」「仮装」の意味

  1. 納税者が行為の主体は納税者本人です。法人の場合は「代表者を頂点とする有機的な組織体としての法人そのもの」と解され、役員や相応の地位・権限を持つ者が権限に基づき法人の業務として行った行為は法人の行為になります。
    税理士・家族・一般従業員の行為は、本人の行為と「同視できる」場合に限られます(後述)。
  2. 課税標準等または税額等の計算の基礎となるべき事実の全部または一部を隠蔽し、または仮装し「隠蔽」は事実を隠匿し、または故意に脱漏すること。
    「仮装」は所得・財産・取引上の名義を装うなど、事実をゆがめること。
    いずれも、行為の意味を認識しながら故意に行うことが必要です。
  3. その隠蔽・仮装したところに基づいて申告書を提出した(無申告の場合は提出しなかった)隠蔽・仮装と申告との間に因果関係が必要です。
    判断の基準時は法定申告期限であり、申告後の行為(調査時の虚偽答弁など)は、原則としてそれ自体では要件を満たしません。

「事実を隠ぺい」するとは、事実を隠匿しあるいは脱漏することを、「事実を仮装」するとは、所得・財産あるいは取引上の名義を装う等事実を歪曲することをいい、いずれも行為の意味を認識しながら故意に行なうことを要するものと解すべきである。

和歌山地裁昭和50年6月23日判決(税務訴訟資料82号70頁)。国税不服審判所の裁決も同旨の定義を一貫して用いています。

条文上の表記は、平成28年の改正以降「隠ぺい」ではなく「隠蔽」です。
事務運営指針の現行版も「隠蔽」表記になっています。
加算税の納税義務は法定申告期限の経過時に成立します(通則法15条2項14号)。

3 判例が引いた五つの線

線1 脱税の意図は不要。隠蔽・仮装の行為についての故意で足りる

重加算税は、納税義務違反が事実の隠ぺい又は仮装という不正な方法に基づいて行われた場合に、違反者に対して課される行政上の措置であって、故意に納税義務違反を犯したことに対する制裁ではないから、(略)納税者が故意に課税標準等又は税額等の計算の基礎となる事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、その隠ぺい、仮装行為を原因として過少申告の結果が発生したものであれば足り、それ以上に、申告に際し、納税者において過少申告を行うことの認識を有していることまでを必要とするものではない。

最高裁昭和62年5月8日第二小法廷判決(訟務月報34巻1号149頁)

整理すると、「架空の請求書を作った」という行為自体の認識は必要ですが、
「それで税金が減る」という認識や脱税の目的までは要件ではありません。

線2 「特段の行動」があれば、積極的な工作がなくても該当する

重加算税を課するためには、納税者のした過少申告行為そのものが隠ぺい、仮装に当たるというだけでは足りず、過少申告行為そのものとは別に、隠ぺい、仮装と評価すべき行為が存在し、これに合わせた過少申告がされたことを要するものである。しかし、(略)架空名義の利用や資料の隠匿等の積極的な行為が存在したことまで必要であると解するのは相当でなく、納税者が、当初から所得を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたような場合には、重加算税の賦課要件が満たされるものと解すべきである。

最高裁平成7年4月28日第二小法廷判決(民集49巻4号1193頁)

この事案は所得税ですが、納税者が多額の株式売買益を申告すべきことを知りながら、
顧問税理士から株式売買の有無を毎年質問され資料の提出を求められたのに「ない」と答え、
他の所得の資料は渡しつつ株式取引の資料は一切示さず、税理士に過少な申告書を作らせたものです。
架空名義も隠し口座もありませんでした。
この判決以降、相続税の裁決では「当初から相続財産を過少に申告することを意図し」と読み替えて適用されており、
税理士に対する秘匿・虚偽説明が重加算税の中心的な論点になっています。

線3 つまみ申告

真実の所得金額を隠ぺいしようという確定的な意図の下に、必要に応じ事後的にも隠ぺいのための具体的工作を行うことも予定しつつ、会計帳簿類から明らかに算出し得る所得金額の大部分を脱漏し、所得金額を殊更過少に記載した内容虚偽の確定申告書を提出した場合は、重加算税の賦課要件を満たす。

最高裁平成6年11月22日第三小法廷判決(民集48巻7号1379頁)の判示の要旨

帳簿は正しく作られているのに、申告書にはその一部だけを書くという類型です。
他方で、過少な申告書類(試算表・収支内訳書)を作成しただけでは「申告行為そのもの」であり、
それとは別の隠蔽仮装行為が必要だとした裁決もあり、殊更に過少と言えるだけの規模・意図・事後工作の予定が要求されます。

線4 税理士・家族・従業員の行為は「同視できる」場合だけ

納税者において当該税理士が隠ぺい仮装行為を行うこと若しくは行ったことを認識し、又は容易に認識することができ、法定申告期限までにその是正や過少申告防止の措置を講ずることができたにもかかわらず、納税者においてこれを防止せずに隠ぺい仮装行為が行われ、それに基づいて過少申告がされたときには、当該隠ぺい仮装行為を納税者本人の行為と同視することができ、重加算税を賦課することができる。(略)他方、当該税理士の選任又は監督につき納税者に何らかの落ち度があるというだけで、当然に当該税理士による隠ぺい仮装行為を納税者本人の行為と同視することができるとはいえない。

最高裁平成18年4月20日第一小法廷判決(民集60巻4号1611頁)
  • 意思の連絡があれば同視される 税理士が不正な手段で税額を減らすことを納税者が了知・容認していた場合(最高裁平成17年1月17日判決)。
  • 選任・監督の落ち度だけでは同視されない 申告書の控えを確認しなかった程度では足りません(最高裁平成18年4月20日・同25日判決)。
  • 委任していれば受任者の行為が及ぶ方向 相続税では、共同相続人の一人に申告手続を委任した他の相続人にも、受任者の隠蔽が及ぶとした裁決があります(平成16年3月11日裁決ほか)。
    法人税では、役員や経理責任者の行為は原則として法人の行為と同視され、一般従業員は地位・権限・行為態様・管理監督の程度で判断されます。

線5 判断の基準時は法定申告期限。調査時の言動は「間接事実」

重加算税は「隠蔽・仮装したところに基づき申告書を提出していたとき」に課されるため、
隠蔽・仮装は法定申告期限までに存在していることが必要です(東京地裁平成22年5月14日判決ほか)。
調査時に虚偽の答弁をした、証拠を捨てたという事実は、それ自体で要件を満たすのではなく、
申告時点で秘匿の意図があったことを推認する材料として、他の事実と総合して評価されます。

実務上の含意 調査で指摘された後に事実と異なる説明をすると、申告時の意図を裏付ける方向に働きます。
逆に、指摘後に速やかに事実を認めて修正申告に応じたことが、「当初から秘匿する態度を貫こうとしたとはいえない」として重加算税の取消しにつながった裁決もあります(相続税・平成28年3月30日裁決、平成28年4月25日裁決)。

4 判定の順序

調査で申告漏れを指摘されたとき、重加算税に至るかどうかは、おおむね次の順序で判断されます。
相続税・法人税の各タブのケースは、この順序に当てはめて読んでください。

  1. Q1 課税標準等の計算の基礎となる事実に申告漏れ(または無申告)があるかなし →加算税の問題は生じないあり →Q2へ
  2. Q2 二重帳簿、帳簿書類の改ざん・破棄、架空名義、取引先との通謀、財産の隠匿など、積極的な隠蔽・仮装行為があるかあり →行為についての故意があれば重加算税に該当する方向(Q4・Q5も確認)なし →Q3へ
  3. Q3 当初から過少申告を意図し、その意図を外部からうかがい得る「特段の行動」があるか(税理士の質問への虚偽回答、資料の不提出、預金の解約・預け替え、書類の日付操作の依頼など)あり →重加算税に該当する方向なし →過少申告加算税(無申告加算税)にとどまる
  4. Q4 行為者は納税者本人か本人(法人なら代表者・役員・権限ある責任者)→そのまま納税者の行為税理士・家族・一般従業員 →本人が認識し又は容易に認識でき、是正できたのに防止しなかったか、委任関係があるかで「同視」の可否を判断
  5. Q5 修正申告のタイミングは更正を予知する前の自主的な修正申告 →重加算税は課されない(通則法68条1項括弧書き)更正を予知した後 →重加算税の対象。修正申告に応じても更正処分を受けても税率は同じ
修正申告のタイミングと加算税

調査通知の前に自主的に修正申告した場合、過少申告加算税は課されません(通則法65条6項)。
調査通知の後、更正を予知する前の修正申告は過少申告加算税5%で、重加算税の除外規定(68条1項括弧書き)は「調査通知」ではなく「更正の予知」で線を引いているため、この段階でも重加算税は課されないと読めます。
更正を予知した後は、過少申告加算税10%(15%)または重加算税35%です。
無申告の場合も同じ構造で、調査通知前の期限後申告は5%、予知前は10%、予知後は15%(20%・30%)または重加算税40%となります。

「更正を予知」したかどうかは、事務運営指針(法人税の過少申告加算税及び無申告加算税の取扱いについて)では、
臨場調査・反面調査・申告書の内容検討による非違の指摘などによって調査があったことを知った後の修正申告は原則として予知に該当し、
臨場日時の連絡があった段階での修正申告は原則として該当しない、とされています。

5 重加算税が課されると何が変わるか

35%・40%という税率そのものに加えて、次の派生的な効果があります。
担当者が相談者に説明するときは、この連動をまとめて示すことが大切です。

効果内容根拠
延滞税の控除期間がなくなる通常は法定申告期限から1年を経過した後の期間は延滞税の計算から除かれますが、「偽りその他不正の行為」により税を免れた場合はこの特例が適用されず、全期間分の延滞税がかかります。
運用上、重加算税が課された場合がこれに該当するものとして扱われます。
通則法61条1項
更正・決定の期間が7年になる通常は法定申告期限から5年ですが、「偽りその他不正の行為」による場合は7年。
重加算税の「隠蔽・仮装」と要件は同一ではありませんが、重なることが多いとされます。
通則法70条5項1号
次回以降の加算税が重くなる5年以内に再び無申告加算税・重加算税の対象になると10%加重。通則法68条4項
配偶者の税額軽減が使えなくなる(相続税)配偶者が行った隠蔽仮装行為に基づく財産は、配偶者の税額軽減の計算から除かれます。相続税法19条の2第5項・6項
青色申告の承認が取り消される(法人税)不正所得金額が更正所得金額の50%超かつ500万円以上などの基準に該当すると取消し。
欠損金の繰越し等の特典を失います。
法人税法127条1項3号、青色申告承認取消しの事務運営指針
消費税・源泉所得税に連動する(法人税)法人税の不正事実が影響する消費税の増差税額にも重加算税。
認定賞与に係る源泉所得税は、法人税側で重加算税の対象となった所得金額に達するまでは不納付加算税にとどめる調整があります。
消費税・源泉所得税の各事務運営指針
刑事罰とは別重加算税は行政上の措置であり、ほ脱犯(相続税法68条、法人税法159条)としての刑事罰と併科されても二重処罰にはならないとされています。最高裁大法廷昭和33年4月30日判決

6 立証責任と、課税庁が見ているもの

重加算税の要件事実(隠蔽・仮装行為の存在、当初からの意図、特段の行動)の立証責任は課税庁にあります。
審査請求では、原処分庁が裏付ける証拠を提出できず、審判所の調査でも認められないとして取り消された裁決が多数あります。

相続税・法人税とも、隠蔽・仮装を直接証明する書類が残っていることは少なく、
実際には次のような間接事実の積み上げで「意図」が立証されます。

  • 1質問応答記録書 調査担当者が納税者・関係者の申述を問答形式で記録し、署名を求める文書です。任意のものですが、後の審査請求・訴訟で中心的な証拠になります。
    申述が矛盾していたり、概括的すぎる場合は信用性が否定され、重加算税の取消しにつながった裁決もあります。
  • 2金融機関等への反面調査 通則法74条の2に基づく質問検査。預金の出金・入金・解約・預け替えの経路を追跡します。
  • 3税理士とのやり取り 税理士が何を質問し、どんな資料を求め、納税者がどう答えたか。
    相続税では、これが結論を左右する最大の要素になっています。
  • 4書類の作成時期と内容 遺産分割協議書・財産目録・残高証明書の取得時期、請求書・納品書の日付、稟議書・決裁記録、指示メール。
  • 5行為の規模・継続性・選択性 除外された財産や売上の金額・割合、複数期にわたる規則性、高額品だけを除外しているかなど。

賦課決定通知書の理由付記

重加算税の賦課決定は不利益処分であり、通知書には隠蔽・仮装に当たる具体的な事実を記載する必要があります(通則法74条の14第1項により行政手続法14条が適用されます)。
理由の記載が不十分な場合は取消事由になり得るため、通知書を受け取ったら「どの事実が隠蔽・仮装とされたのか」を確認することが最初の点検事項になります。

税理士側の責任

税理士が隠蔽・仮装に関与し、または容認した場合は、納税者の重加算税とは別に、税理士法上の脱税相談等の禁止(税理士法36条)に違反するものとして懲戒処分(同法45条)の対象になります。
調査後に税理士専門官へ情報が回る運用もあり、担当者としては、納税者から相談を受けた段階で事実の確認と正しい申告への誘導を記録に残しておくことが重要です。

7 統計で見る「重加算税に至る割合」

税目指標令和5事務年度令和6事務年度
相続税実地調査件数8,556件9,512件
非違件数(非違割合)7,200件(84.2%)7,826件(82.3%)
重加算税賦課件数(非違件数に対する割合)971件(13.5%)1,065件(13.6%)
法人税実地調査件数約5万9千件約5万4千件
不正計算があった件数約1万3千件約1万3千件
不正発見割合(調査件数に対する割合)22.3%23.5%

出典:国税庁「令和5事務年度・令和6事務年度における相続税の調査等の状況」「令和5事務年度・令和6事務年度 法人税等の調査事績の概要」。
法人税では「重加算税の賦課割合」という統計は公表されておらず、「不正計算(隠蔽・仮装)があった件数」の割合が代替指標です。